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映画鑑賞記録
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鑑賞日 2010年1月30日(土)
場 所 TOHOシネマズ府中
監 督 ジャック・ぺラン ジャック・クルーゾー
製作年 2009年 
原 題 Oceans
公式HP http://oceans.gaga.ne.jp/

4年の歳月をかけて撮影されたのべ470時間に及ぶ膨大なフィルムから厳選された1時間40分の映像の素晴らしさにただただ圧倒されます。このような映像をどうやったら撮影することが可能なのかと、驚くばかり。寄せては返す波の音、砕け散る波しぶき、水中を縦横に泳ぐイワシの大群、海面に躍り上がるシロナガスクジラ・・・・。宇宙空間に飛び出すよりも、実は深海に潜る方が難しいといわれています。今でも海は宇宙以上に謎を秘めている場所。命は海から生まれたもの。美しい海の生き物たちの映像に、本当に心から驚嘆し、海に満ちる命の多様性に感動しました。これはぜひ大きなスクリーンで見なければいけません。前から3列目という場所でしたので、波しぶきをかぶるような感覚でしたが、迫力があってよかったです。土曜の午後でお子さんもたくさんいらしていたようですが、騒ぐ子などいませんでした。きっと子供であってもこの映像の素晴らしさに圧倒されてしまったに違いありません。
家族で一緒に見て感動を分かち合える作品だと思います。
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鑑賞日 2010年1月23日(土)
場 所 ル・シネマ
監 督 ヤン・クローネン
製作年 2009年 フランス
原 題 COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY 
公式HP http://chanel-movie.com/

2009年秋から3本のシャネル映画が封切られた。三本を見比べて、この作品が一番面白かったと思う。
2009年8月封切りの「ココ・シャネル」 は、ココ・シャネルの総覧的伝記映画。9月封切りの「ココ・アヴァン・シャネル」は、ガブリエル・シャネルがいかにしてデザイナー、ココ・シャネルとなったのかというシャネル立志伝青春編といった感じ。そして、今回の「シャネルとストラヴィンスキー」は、伝記的物語というより、シャネルとはいかなる人間であったのか、さらに踏み込んで、男と女の愛の愛のあり方について考えさせられる映画。

この順番で封切られたのは意図的なものではないと思うのだが、もし違っていたら、前の2本に対しての評価はもっと辛口になっていただろうと思う。逆に、この順番で見たから、より今回の作品が楽しめたともいえる。

シャネルは1883年生まれ、ストラヴィンスキーは1882年生まれ。
亡くなったのはともに同じ1971年。19世紀末に生まれ、二つの大戦を含む激動の時代の先端を走り続けた二人は、人並み外れたエネルギーの持ち主だったのだろうと思う。その二人が出会って、恋に落ち、その恋を創作のエネルギーとしたというのは非常に納得がいく。

この映画を一言で言いあらわすのはとても難しい。ココ・シャネルが香水作りに挑み、求める香りを「人間の性格のような複雑な香りがを探しているの」と調香師に説明する行があるが、この映画は、さしずめシャネルのNo.5のような映画とでもいうべきか。

映像も音楽もシナリオもすごくいい。そして、キャストも実にふさわしい。シャネル役の女優さんは非常にエレガントで、アルトの声が大人の女を感じさせるし、ストラヴィンスキー役の俳優さんは、少し癇性で知性的な眼差しが役にピッタリで、脱ぐと意外なほどマッチョなところが絶妙のアンバランス加減でいい。この、表情と体のマッチョさというところが、重要!私として一番良かったのは、ストラヴィンスキーの妻役の女優さん!彼女なくしてはシャネルとストラヴィンスキーの関係をここまで際立たせることはできなかったように思う。

ストラヴィンスキーの妻は彼の従妹で、二人の間には4人の子供がいる。まさに良き妻、良き母のイメージそのもの。最初に登場するときには大きなお腹をしている。事実そうだったのだろうが、臨月を思わせる大きなお腹が彼女のあり方をくっきりと印象づけている。大きな緑色の瞳と、薄い眉。ストラヴィンスキーがシャネルと深い仲に陥っていくのを、夫と子供の為に見て見ぬふりをしていなければならない苦悩にじっと耐える姿がすごくいい!顔立ちが北方系絵画の聖母マリアをなんとなく想起させるし、哀しみと「母」というもの頑固さのようなものを感じさせる表情がなんとも、この妻役にぴったり。

この映画で登場回数はあまり多くないが、結構重要なのは、バレエ・リュスの主催者ディアギレフではないかと思う。二人を出会いを取り持ったのは彼だったし、シャネルが彼との別れを決意し、恋の清算を頼みこんだのも彼だった。ディアギレフとシャネルは、ディアギレフがヴェニスで危篤に陥った時に、シャネルが駆けつけ最期を看取ったほど深いものだったそうだ。ディアギレフの男色は有名だから、この二人は恋愛関係じゃないことは確か。(秘書の面接と称して彼が行っていた行為を見るとねえ・・・。こういうとこ描いちゃうところがフランス映画だわ。)むしろ、自身の良き理解者としてシャネルはディアギレフを慕っていたのじゃないだろうか。そう思わせるものは、シャネルが一切口外しないことを条件に、「春の祭典」の再演に資金提供を申し出る場面にあらわれていると思う。

この映画はR-18指定。作品中3回ほど、まあ、指定は仕方ないでしょうねえ、という場面がある。でも、そんなにエロティックという風には感じない。この場面にむしろストラヴィンスキーの男の哀愁を感じてしまう。シャネルに絡めとられていくストラヴィンスキーは、クモの巣に捕えられた甲虫のようだなあとおもってしまった。カメラワークがまた実によろしい。この場面でストラヴィンスキーの肉体のマッチョ具合が重要。程よいマッチョ具合が、男である性(さが)を出してないと、後の重要な場面が活きない。

この映画はいろいろな見方ができるが、非常に興味深かったのはストラヴィンスキーのシャネルと妻の間で揺れる男心といったところか。ロシア革命で財産を失い、苦しい生活を余儀なくされたストラヴィンスキーを別荘に招く。妻の献身を受けながら、シャネルに惹かれていくストラヴィンスキー。シャネルの洗練され、刺激的な愛情を与えられ、それを糧に精力的に創作にはげむ。妻や子との穏やかな生活に安らぎを感じながら、シャネルから与えられる情熱に抗えない。そりゃあ美しく洗練されたシャネルに迫られれば籠絡されない男はいないだろう。だが、妻や子も捨てきれない。妻にシャネルと寝たのかと問われ、どちらの女性を選ぶのか、結局彼は一度もはっきり答えることができない。妻は、我慢しきれず、子供たちを連れてシャネルの別荘を去る。

彼は二人の女からの問いに全て無言でしか答えることができない。もう、哀れなほどに、選ぶことができない。結局、そういうストラヴィンスキーにシャネルが愛想をつかす。しかし、なぜシャネルが彼に愛想を尽かしたのか、わかっていないだろう。

この映画はシャネルが「春の祭典」の初演でその過激なまでの先進性に心惹かれる場面から始まり、シャネルが最愛の男性、カペルを失い、その隙間を埋めるようにストラヴィンスキーを愛したと思わせる。ストラヴィンスキーと肉体関係を結ぶことを決めたシャネルが自室でカペルの写真立てを涙を流しながら伏せるシーンがある。死んだ男は現実の寂しさを埋めてはくれないし、新しい刺激も与えてくれない。ストラヴィンスキーの才能をシャネルは愛したのだろう。だが、才能のある男が、女の才能を正当に理解できるわけではない。二人の別れの朝のシーンが非常に象徴的だ。苦しみながら再演の為の改訂稿を完成させたストラヴィンスキーの入浴シーン。(彼の入浴シーンは劇中に数度ある。その場面との対比に注意してほしい。)浴槽につかるストラヴィンスキーの頭部しか見えない。シャネルはタオルを持ってきて、浴槽の脇に腰を下ろし、彼としばし対峙する。そして、もうこの二人の関係が終わったのだと告げる。最後に彼女はストラヴィンスキーの額に口づける。この場面がシャネルにとってすでにストラヴィンスキーは愛すべき才能としての存在でしかなくなってしまったことを象徴しているように思われた。

シャネルにとって、自身が唯一無二の存在であることを人生をかけて追及していたのに、ストラヴィンスキーはそれを理解できなかった。そのことに気づいてしまった時、彼女の中で、恋は終わってしまったのだろう。でも、ストラヴィンスキーの才能をこの世に送り出したい、その為の力が自分にあるなら援助しようとする。この潔さがすごい。

二人の情交シーンをこの場面から振り返ると、なるほど~と納得。ストラヴィンスキーが程良いマッチョであることが非常に重要だと納得できること請け合い。

この映画、エンドロールのあとにも重要なシーンが挿入される。このシーンを見逃したら作品全体の理解ができないと思う。ぜひ最後の最後まで席を立たないで見てほしい。

オープニングとエンディングに次々と変わるカレイドスコープの映像が映される。この映像が後半ほんのわずかな時間だが劇中に挿入される。この映像がなぜか、顕微鏡下で観察される細胞分裂や細胞増殖の画像を想起させる。だから、なに?と言われても困るのですが、非常に印象深かったので・・・・。

そうそう、それから、室内装飾が非常に素晴らしかった~。(ルネ・ラリックの作品が惜しげなく散らばめられてる。)シャネルが自分が一番好きと言ったモノトーンの部屋に、ストラヴィンスキーの妻が、それを嫌って、カラフルなストールや壁掛けで部屋を飾り付けるシーンは二人の在り方をあらわしていて、非常に面白かった。


ひとつひとつの場面が美しく、複雑な意味をもっていて、最後までひきこまれた作品。はっきりいって、男性にはあまりおすすめではないと思う。きっとストラヴィンスキーに自分を重ねることになるでしょうから。(笑)

鑑賞日 2010年1月10日(日)
場 所 ル・シネマ
監 督 ジャン=マルク・ヴァレ
製作年 2009年 アメリカ・イギリス
原 題 THE YOUNG VICTORIA

いわゆるコスチューム物映画が好きです。衣装や建物調度類がゴージャスなものは特に目の保養になるのでうれしいですね。ストーリーがいまいちでも、そっちの楽しみがあるから、損をした気分にならなくてすみます。

こんな書きだしってことは、結局ストーリーは、女の子が夢見るようなロマンス物だったってことです。恋愛物にしては二人の互いを思う気持ちの表現があっさりしてるし、歴史物というには、そっちの掘り下げ方もあまり深くないし、結論的にいえば、新春にふさわしい、きれいでロマンチィクな若い人の新春デートにふさわしい作品。そろそろ、結婚も・・・なんて考えてるカップルにはいいでしょうねえ。お互いに自分をヴィクトリアとアルバートになぞらえて、映画を見た後には大いに盛り上がれるでしょう。草食系の彼のプロポーズをまつくらいなら、この映画を見に行って、「私もヴィクトリアみたいに幸せになりたいの♪」と逆プロポーズするのもいいかも知れませんね。

さて、このカップル、政略結婚が当然の時代、ちゃんとまっとうに恋愛して結婚して9人も子供を作ったんですから幸せですよね。どこかでおんなじような話を聞いたなあと思ったら、そうですよ、オーストリアのマリア・テレジアとそっくり。マリア・テレジアも、小国のロートリンゲン公子のフランツ・シュテファンと恋愛結婚している。そして16人も子供を産み、夫婦二人三脚で国力の増大を図り、子供たちの結婚を通じて、欧州各国との関係強化に務めたんですねえ。そしてなんと、マリア・テレジアも夫の死後15年間も夫の喪に服するため、喪服を着続けたのです。マリア・テレジアは1717年生まれ、ヴィクトリアは1819年生まれ。ともに5月生まれです。約100年の時を経て、同じような人生を歩いた二人なのですね。

さらに恐ろしいことに、この二人は共通点がさらにある。マリア・テレジアの娘マリー・アントワネットが嫁いだフランスではフランス革命が、娘の命を奪います。ヴィクトリアの孫娘アレクサンドラ(母アリスが早く亡くなってしまったので、彼女は6歳から12歳までヴィクトリアの手元で育てられ溺愛していた)はロシアに嫁ぎ、ロシア革命によって命が奪われます。

マリー・アントワネットの子供も4人、アレクサンドラの子供も4人。長男の皇太子が病弱だったことまで同じです。

ちょっとうすら寒くなるくらい似ていますよね・・・・。

この映画の見所はやはり、イギリスロケによる美しい宮殿や庭園、きっちり時代考証がされた豪華な衣装、可愛らしい犬!(ヴィクトリアの愛犬がとても可愛い)でしょうか。

人間ドラマというより、甘美でロマンチックな映画とみた方が楽しめる作品だと思いました。

蛇足ですが、アルバート公役の俳優さんはちょっと清潔な憂い顔でなかなかよかったです。そのお兄さん役の方がもっとハンサムだったように思うんですよね。お兄さんは自分の家を継がなきゃだから、ヴィクトリアにモーション掛けるわけにはいかなかったんでしょうね。

家に帰ってウィキで調べたら、ヨーロッパの王家のつながりの複雑さに頭が痛くなりました。今のイギリス王家は実はドイツ系だったんですね。18世紀にはじまるハノーヴァー朝の流れですもの。ドイツと仲が悪くなって、20世紀初頭にウインザー家と名前を変えたそうです。中世のプランタジネット朝はフランス系だったし・・・・。日本のように、あくまでも万世一系なんて言っている国はヨーロッパにはないですよね。日本が不思議な国と言われるのも無理ないか?


鑑賞日 2009年12月19日(土)
場 所 ル・シネマ
監 督 アランチャ・アギーレ
製作年 2009年 スペイン
原 題 Le Coeur et le Courage,Bejart Ballet Lausanne


静かな映画だが、とてつもなく熱い映画でもあった。見終わって、じんわりと勇気が湧いてくる。

バレエのことなどあまり知らない私でさえ、モーリス・ベジャールの名前は知っている。20世紀最大の振付家と言われバレエ界に革命を起こしたと言われる人物だという。

予告編を見て、いろいろなバレエシーンが見られたらいいなあという軽い気持ちだったのだ。ところが、よい意味でその期待を裏切る作品だった。確かに、ジョルジュ・ドンをはじめ、そうそうたるバレエ・ダンサーの映像を見る事ができたのだが、このドキュメンタリーのテーマは、ベジャール亡きあと後継者となった、ジル・ロマン率いるバレエ団の苦悩と再出発の物語だった。このテーマは単にこのバレエ団のものというより、普遍的な「人間が受け継いでいくものとは何か」というものと感じた。

日本は今政権交代をして、いろいろな事が迷走中。考えてみれば60年も自民党政権が続いたのだから、簡単にうまくいくわけがない。時間がかかるかもしれないが、根気強く明日への希望を持ちつつ、変えていかなければいけないはずだ。

バレエの映画を見てこんなことを考えるのはおかしいかも知れないけれど、今いる自分はたとえちっぽけでも過去と未来を繋ぐものなんだなあ・・・と。いったい自分は未来に何を繋げて行けるだろう?頑張らなきゃいけないなあと、映画に励まされた気分になった。

美しいダンサーを見て目の保養をして、明日への勇気をもらった。久々にもう一度見たいと思った一本。

鑑賞日 2009年12月6日(日)
場 所 テアトルシネマ銀座
監 督 クロード・オータン=ララ
製作年 1954年 フランス
    デジタルリマスター版2009年 192分


19世紀フランスの小説家スタンダールによる小説を映画化したもの。
主人公ジュリアン・ソレルを演じたジェラール・フィリップの没後60周年を記念して、デジタルリマスター版が作られ、世界にさきかげて封切られた。何しろ上演時間が192分もある。前・後編で間に10分の休憩が挟まれる。

このデジタルリマスター版が公開されると聞いて、ずっと楽しみにしていた。ジェラール・フィリップが主演した映画「肉体の悪魔」「モンパルナスの灯」を高校生の頃にTVで見た時から、すごく印象的だったんです。昨年「花咲ける騎士道」を見て、その類まれな美貌とオーラにめろめろになってしまいました。

「赤と黒」は言わずと知れたスタンダールの有名な小説だけれども、恥ずかしながら、完読していない。それでも貧しい生まれのジュリアン・ソレルが、その才気と美貌で成り上がりを目指し、挫折していく様を描いた小説というあらすじは知っている。ちゃんと原作を読んでいないので、かえって映画の世界をそのまま楽しむことができたかもしれない。

原作ではジュリアンの登場は18~19歳、死刑になるのは23歳。彼を演じたジェラールはすでに30歳を過ぎていた。しかし、それが何だろう。監督オータン=ララがジュリアンを演じられるのはジェラールだけとこだわっただけのことがある。
とにかく、「青年」の美しさ、瑞々しさ、翳り、脆さ、傲慢さ、純粋さなどがもう完璧!!確かに本当の10代後半から20代前半の青年の肌の張りとかはないんですけどね、青年期特有の情熱や憂いっていうものがびしびし伝わってくるんです。1830年代の黒服のすそ広がりの上着の下から見える足の細さとか、ちょっと顰められた眉とか、そういったところが「大人の男」じゃないんです~。少年を感じさせるんですよ~。

だめです・・・・。本当にかっこいいです・・・・。はあ~。

赤と黒は1830年ごろの王政復古期のフランスが舞台。ナポレオンが失脚して、階級を超えた成り上がりが非常に困難になった時代だ。だからこそ、なまじ美貌と才覚に恵まれてしまったジュリアン・ソレルは悩まなければならなかったわけだ。なりあがろうともがき苦しみ、最後はレナール夫人との愛に殉じるように死んでいく。はかなく脆い青年の野心と破滅と救済。ラスト、死刑判決を受け、執行までの一ヶ月間を、独房で天も地もなく今この瞬間をこの地上で、二人だけの愛を確かめようとばかりに抱き合う二人の姿には、涙が出ました。
ああ~、美しいもの見るって幸せだわ・・・・。

この映画で注目したいのは、時計の扱い、そして、ファッション。
まず最初の法廷の場面で、閉廷を告げる時計の音が鳴り響く。そのあとも、何度か印象的な時計や時間の扱いが出てくる。1830年代ファッションは女性は袖を大きく膨らませ、ウエストを細く絞り大きくスカートを広げたもの。それに呼応するように、男性の上着も袖山が高くてウエストを絞っている。ジュリアンが貧しい生まれであることを象徴するように、シミーズ(シャツのことで、当時は下着も兼ねていた)を何枚持っているかと何度も尋ねられる。家庭教師として雇われることになったジュリアンが市長レナールの屋敷を訪ねたときの上着はひどく短くて、いかにも田舎くさい。劇中、ファッションについての下りが何度か出てくる。すべて、ジュリアンが置かれ状況を端的にあらわすものだ。今でもドレスコードってありますけど、かつては、服装は端的にその者の階層をあらわすものだったんですねえ。そういったところを見るのも面白い。

主演のジェラール・フィリップも素敵だけれども、女優さんも素敵。レナール夫人役のダニエル・ダリューの美しいこと!道ならぬジュリアンとの恋に悩みながら、彼の情熱に溺れる年上の女性を見事に演じています。フランスって、既婚で大人の女性こそ魅力的っていう文化があるんでしょうねえ。後半出てくるド・ラ・モール侯爵令嬢マチルド役のアントネラ・ルアルディもきれいなのですけど、やっぱり、ダニエル・ダリューの迫力には負けてますねえ。なんだか、若い女って怖いって思わされるし。おフラ~ンスはやっぱり、成熟した大人の女性がお好みなんだと納得いたしました。

12月25日まで上映、同時にジェラール・フィリップ特集もやっています。
「パルムの僧院」もぜひ見てみたいですねえ。




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