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映画鑑賞記録
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鑑賞日 2010年1月10日(日)
場 所 ル・シネマ
監 督 ジャン=マルク・ヴァレ
製作年 2009年 アメリカ・イギリス
原 題 THE YOUNG VICTORIA

いわゆるコスチューム物映画が好きです。衣装や建物調度類がゴージャスなものは特に目の保養になるのでうれしいですね。ストーリーがいまいちでも、そっちの楽しみがあるから、損をした気分にならなくてすみます。

こんな書きだしってことは、結局ストーリーは、女の子が夢見るようなロマンス物だったってことです。恋愛物にしては二人の互いを思う気持ちの表現があっさりしてるし、歴史物というには、そっちの掘り下げ方もあまり深くないし、結論的にいえば、新春にふさわしい、きれいでロマンチィクな若い人の新春デートにふさわしい作品。そろそろ、結婚も・・・なんて考えてるカップルにはいいでしょうねえ。お互いに自分をヴィクトリアとアルバートになぞらえて、映画を見た後には大いに盛り上がれるでしょう。草食系の彼のプロポーズをまつくらいなら、この映画を見に行って、「私もヴィクトリアみたいに幸せになりたいの♪」と逆プロポーズするのもいいかも知れませんね。

さて、このカップル、政略結婚が当然の時代、ちゃんとまっとうに恋愛して結婚して9人も子供を作ったんですから幸せですよね。どこかでおんなじような話を聞いたなあと思ったら、そうですよ、オーストリアのマリア・テレジアとそっくり。マリア・テレジアも、小国のロートリンゲン公子のフランツ・シュテファンと恋愛結婚している。そして16人も子供を産み、夫婦二人三脚で国力の増大を図り、子供たちの結婚を通じて、欧州各国との関係強化に務めたんですねえ。そしてなんと、マリア・テレジアも夫の死後15年間も夫の喪に服するため、喪服を着続けたのです。マリア・テレジアは1717年生まれ、ヴィクトリアは1819年生まれ。ともに5月生まれです。約100年の時を経て、同じような人生を歩いた二人なのですね。

さらに恐ろしいことに、この二人は共通点がさらにある。マリア・テレジアの娘マリー・アントワネットが嫁いだフランスではフランス革命が、娘の命を奪います。ヴィクトリアの孫娘アレクサンドラ(母アリスが早く亡くなってしまったので、彼女は6歳から12歳までヴィクトリアの手元で育てられ溺愛していた)はロシアに嫁ぎ、ロシア革命によって命が奪われます。

マリー・アントワネットの子供も4人、アレクサンドラの子供も4人。長男の皇太子が病弱だったことまで同じです。

ちょっとうすら寒くなるくらい似ていますよね・・・・。

この映画の見所はやはり、イギリスロケによる美しい宮殿や庭園、きっちり時代考証がされた豪華な衣装、可愛らしい犬!(ヴィクトリアの愛犬がとても可愛い)でしょうか。

人間ドラマというより、甘美でロマンチックな映画とみた方が楽しめる作品だと思いました。

蛇足ですが、アルバート公役の俳優さんはちょっと清潔な憂い顔でなかなかよかったです。そのお兄さん役の方がもっとハンサムだったように思うんですよね。お兄さんは自分の家を継がなきゃだから、ヴィクトリアにモーション掛けるわけにはいかなかったんでしょうね。

家に帰ってウィキで調べたら、ヨーロッパの王家のつながりの複雑さに頭が痛くなりました。今のイギリス王家は実はドイツ系だったんですね。18世紀にはじまるハノーヴァー朝の流れですもの。ドイツと仲が悪くなって、20世紀初頭にウインザー家と名前を変えたそうです。中世のプランタジネット朝はフランス系だったし・・・・。日本のように、あくまでも万世一系なんて言っている国はヨーロッパにはないですよね。日本が不思議な国と言われるのも無理ないか?


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