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映画鑑賞記録
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鑑賞日 2011年10月29日(土)
場 所 TOHOシネマシャンテ
監 督 フィリップ・シュテルツェル
製作年 2010年 ドイツ

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテと言えば、18世紀~19世紀に活躍したドイツの巨匠で知らない人はいないと思う。ゲーテはなんとなく19世紀の人のような印象が強いけれど、活動期間としては18世紀と19世紀とほぼ半々といったところか。

ゲーテの出世作「若きウェルテルの悩み」の執筆秘話みたいな筋立ての映画なのだが、
「若きウェルテルの悩み」が、ゲーテの実体験をもとに創作された書簡小説なのだが、この映画は更に、それをモチーフに脚色したラブ・ストーリーで、なかなか面白かった。

ゲーテはハンサムで、金持ちの出身で、才能に恵まれた、ちょっと嫌みになるくらいな奴なわけです。下手をすれば、鼻持ならない若造なわけですが、アレクサンダー・フェーリンクが、まだ若くて分別が付いてないゲーテをのびのびと演じていて実によいです。ドイツ系の王子様キャラにぴったり。ヒロインのロッテ役のミリアム・シュタインも可愛くて生き生きとしていて、まさに青春映画~!!爆発した鳥の巣みたいな巻き毛がなんとも言えずロッテのキャラを引きたててます。ロッテの婚約者ケストナー役のモーリツ・ブライブトロイがまたいい味出しているんですよ。実直で不器用な男の切なさと可愛らしさがにじみ出ています。

この作品を見ていて、2009年の秋に公開された「ジェーン・オースティン~秘められた恋」を思いだした。ゲーテの恋の相手、ロッテは多くの家族を養ってくれるケストナーとの結婚を選び、ジェーンの恋の相手、トムも今まで援助してくれて来た親戚の娘との結婚を選ぶ。この時代、結婚は愛の帰結ではなく、生活をかけた契約であったりする。ゲーテもオースティンも実らなかった恋を、創作に昇華させたんだろうと思う。逆に恋が成就していたら、その後の彼らは一体どうなっていたんだろう?

帰って来てから、ウィキでゲーテの生涯を調べてみた。ゲーテは恋多き男で、年上から年下まで幅広く守備範囲としていたようだ。最近再婚した某芸能人ばりに、70すぎて孫のような少女に求婚したと言うのだから恐れ入る。たくさん恋をしたゲーテは結婚していないのかと気になって調べたら、39歳の時に、兄の就職の世話を頼みに来た23歳の女性を見染めて、口説き落として内縁の妻にしたんだそうです。さっさと結婚すればいいのにって思いますけどねえ・・・。ゲーテは一回婚約したのだけれど、いろいろ家同士の間で調整がつかず、結局結婚できなかったという過去もあったようで、結婚におよび腰だったのかもしれませんね。内縁関係というのは、別段男にとっては不自由なことってないんですよね。実質的には何の問題もない。成人できたのは長男だけだったようですが、何人もこの内縁の妻はゲーテの子供を生んでいるんですよね。女性側としては、内縁関係って法律的な保障がないから困るんですけど。1806年にヴァイマルにフランス軍が侵攻してきたときに、内縁の妻が彼を救ってくれたのでやっと結婚したっていうのだから、全く偉人ゲーテも意気地がないなあと思ってしまう。確か、「落ち穂拾い」を描いたミレーも奥さんはずっと内縁関係で、死ぬ間際になってやっと結婚して席を入れたのですよ・・・。
現代と結婚の意味が違うにしても、20年も30年も踏ん切りがつかないって言うのは、男の弱さなんでしょうかねえ・・・・。

ロッテは家族の為、穏やかな生活を保障してくれるケストナーを最終的には選び、
ゲーテの才能の為にも恋の成就は適わないのだと潔く身を引く事になるのですが、恋と結婚はやっぱり別物なのかも・・・って思うし、でも、短く燃え上がった恋が、才能によって昇華され、普遍的な文学作品になるのだとしたら、それはそれで、幸せな失恋なのかもしれないなあ・・・と思います。

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