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映画鑑賞記録
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鑑賞日 2011年6月18日(土)
場 所 TOHOシネマシャンテ
監 督 ジュリー・テイモス
製作年 2011年 イギリス

シェークスピア最後の作品と言われる「テンペスト(嵐)」の映画化作品。原作は高校時代に気に入って何度か読んでいる。空気の精エアリアル
が元ミラノ大公で魔法使いプロスペローに悪態をつきながら主の命令を見事にやりおおせるところや、プロスペローの娘、ミランダとナポリ王子ファーディナンドの美しい恋物語は、ちょっとひねくれた女子校生にもなかなか面白いものだったのだ。

この作品では、弟の姦計によりミラノ大公の座を奪われたプロスペローを大公妃プロスペラに置き換えている。そうした変更が加えられても原作の面白さは少しも損なわれていないし、返って面白くなっていると言えるかもしれない。エアリアルやキャリバンの関係がより自然に感じられる。

魔法によって引き起こされる嵐やエアリアルが活躍する幻想的なシーンをどんな風に映像処理するのかと思っていたのだが、これがとってもうまく処理されていて面白かった。時には、舞台演出のようなシーンもあって、リアルさと、舞台のような抽象的な構成美とが混じり合い、何とも不思議で美しい映画だった。

この物語のひとつの要素として、プロスペラの計らいにより引き合わされ恋に落ちる青年と乙女の恋があるのだが、この二人設定的にはどう考えても16・7歳と14歳。実際に演じているのはもっと大人俳優さんなんですけども、原作ではきっとそのくらいのはずだ。純粋で先の事なんか全然見えていなくて、目の前にある恋に夢中になっている少年少女の恋。ひねくれ切っているおばさんとしては、あまりの幼さに笑っちゃうくらいだが、いいなあ~こういう純粋さって・・・・。

作品の内容とは関係ないのだが、気になったのは、エアリアルの眉毛が麻呂眉のように短いこと。この眉が人ならぬ妖精である事をとても強く感じさせる。この感覚はおそらく日本人的感覚だろうなあと思ったのだが、帰ってから公式HPを見てみたら、この監督さん、日本の歌舞伎や浄瑠璃にも造詣が深いのだそうだ。なるほどね・・・、と腑におちた。エアリアルが走り回るシーンがあるのだが、「韋駄天走り」という言葉がふっと頭に浮かんでしまった。絵巻物で見た図柄にとても印象が似ていたからか?

この映画、原作を知っていて、なお且つ原作が好き!と言う人にはお勧めだが、まっさらで見ると、映像は楽しめるだろうけれど、ストーリー的には違和感があるかも知れない。





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