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映画鑑賞記録
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鑑賞日 2009年11月7日(土)
場 所 TOHOシネマシャンテ
監 督 ジュリアン・ジャロルド
製作年 2007年 イギリス

18世紀フリークとしては、18世紀を舞台にした映画を見ないわけにはいきません。

恥ずかしながら、ジェイン・オースティンのことをあまりよく知らない。
まずは、ウィキペディアで予習。

ジェーン・オースティン(Jane Austen、1775年12月16日 - 1817年7月18日)は、イギリスの小説家。ハンプシャーのスティーブントン生れ。

18世紀から19世紀イングランドにおける田舎の中流社会を舞台として、女性の私生活を結婚を中心として皮肉と愛情を込めて描き、イギリス小説の頂点とされる。主要作品は『分別と多感』『高慢と偏見』『エマ』『マンスフィールド・パーク』『ノーサンガー僧院』『説得』の6つの長編小説。

なるほど、イギリスの小説家さんなのですね。

ということで、映画鑑賞へいざ!!TOHOシネマシャンテでの映画鑑賞は初めてです。


18世紀後半で論議された審美上の理念として、ピクチャレスク(Picturesque)というのがありましたが、その言葉を思い出させるような自然描写が随所に見られるところにまずは注目。

次いで、イギリス中産階級の生活スタイル。ブタを飼い、ジャガイモ畑を耕しながら、舞踏会に出かけるときには、それなりに着飾っている点が興味深い。舞踏会で踊られるのは、フォークダンスのような、コントラ・ダンス。現在の社交ダンスとはだいぶ趣が違う。

ジェインもジェインと恋に落ちるトムも、兄弟が多く親からの財産分与が望めず将来について、思い悩んでいる。

最初は反発し合っていた二人が、ジェインの小説執筆に対してトムがアドバイスするところから恋に落ちていく様は丁寧に描かれていて、好感度高し。

恋の成就を願いながら、大伯父からの援助によってしか実家の生活を支えることができないトムの現実を知って、別れを決意するジェイン。この場面は、切なかったですねえ。

ロマンティック・ラブ⇒結婚を当然と思う現代の人間にしたら、二人の行動は理解しにくいものだと思うのですが、18世紀末から19世紀初頭では、ロマンティック・ラブからゴールインなんて、分別がないものとされていたんですよね。結婚は安定した暮らしを求める社会的契約ですから。その点をしっかり押さえておかないと、なぜ二人が思い悩まねばならないかが理解できないでしょう。

ジェイン役のアン・ハサウェイはまさに役どころにぴったりといった感じで良かったです。トム役のジェームズ・マカヴォイは可愛い系ハンサム。
ちょっと斜に構えるポーズをとりながら、実はとても真面目な青年である感じが出ていてよかったですねえ。

恋心そのものはどの時代でも変わらないのでしょうが、結婚は社会的なものなんだなあ・・・、としみじみ感じた映画でした。






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鑑賞日 2009年10月17日(土)
場 所 DNP五反田ビル1Fホール
監 督 ジャン・リュック・ガンスト
製作年 2004年 フランス 52分
LOUVREーDNP URL
http://www.museumlab.jp/

人間と馬の結びつきをルーブル美術館の収蔵品でつづるドキュメンタリー。紀元前4000年から近代ロマン主義までの名品をルーブル美術館の学芸員が解説してくれるのですが、映像も美しいし、添えられた音楽もピッタリであっという間の一時間でした。馬術に関する本で読んだ調教の場面や17世紀のフランス宮廷で行われた祝祭行事などの映像を見ることができてとても面白かったです。純白の青い目も馬が出て来るのですが、いやあ~本当にきれいでした。11月21日にも上映されます。完全予約制ですので、電話またはホームページから予約が必要です。
鑑賞日 2009年10月11日(日)
場 所 ル・シネマ
監 督 フレデリック・ワイズマン
製作年 2009年 フランス・アメリカ

日本のバレエ熱は非常に高い。有名バレエ団公演のS席だと25000円はする。それでもあっという間に売り切れてしまう。私は生のバレエの舞台は一度しか見たことがないが、その迫力と美しさに呆然としてしまった。高いチケット代を払っても、惜しくない!

バレエはフランスのお家芸のようなもの。日本でいえば、能のようなものでしょうか。そもそも・パリ・オペラ座バレエの起源は、ルイ14世が創立した王立舞踊アカデミー。ルイ14世は大のバレエ好きだった!『王は踊る』という映画がありましたよね。ルイ14世がそもそも太陽王と呼ばれるようになったのは、自ら舞台で太陽の神アポロンに扮して踊ったことかだとか。かくして、パリオペラ座は国家の威信を背負って、世界一のバレエの殿堂となったわけです。

ドキュメンタリー映画ですから、特にストーリーがあるわけではありません。淡々とオペラ座内部の日常が映されています。レッスン風景はもちろんのこと、衣装やかつらの制作室、舞台総監督やスタッフの会議風景、舞台照明のテストや地下の水路、屋上の養蜂箱、食堂などなど、まさにあらゆる角度から撮影されています。

さすがに160分の長尺、疲れましたが、ダンサーの美しい踊りも堪能できたし、舞台を支える様々な努力を見ることもできたし、面白かった。

かなり前評判が高かったので、9時に入口に並んだら、すでに3人の方が待っていてびっくり。開場30分前には長蛇の列。劇場内は満席。一回目が終了した時点で、3回目までのチケットは売り切れ。
見に行く際には混雑状況を確認していかれた方がいいかもしれません。
鑑賞日 2009年9月20日(日)
場 所 シネパレス渋谷
監 督 アンヌ・フォンテーヌ
製作年 2009年 フランス

ココ・シャネルの生涯を題材にした映画2本目。8月に公開された映画と今回の映画、同じ人間の生涯を扱っていても、全く受ける印象が違った。
どちらが好みかは、鑑賞者の嗜好によると思うが、私はこちらのココの方が共感できた。前回みたものは、晩年のココが自分の人生を振り返るというもので、少々たくさんのエピソードを入れすぎ、テーマがぼやけていたような気がする。こちらの作品は、題名の通り、彼女がデザイナーとして成功するまでを取り上げ、その中で彼女に大きな影響を与えただろう二人の男性との関係を中心に描かれている。

彼女の「自立」がテーマの中心にはっきりと据え置かれ、それを象徴するかのように、彼女が一人決然とたたずむ映像が何度も繰り返し挿入される。その画面が実に美しい。まさに彼女が生きる拠り所としたのは自分自身であり、自らを自らの力によって生きていくのだという決意なのだということか、画面から伝わってくる。

今でこそ女性が働くことが普通になったし、男女関係なく能力を発揮し生きていくことをあからさまに否定する人間は少なくなったが、20世紀初頭は、まだまだ女性が一人の人間として主張することが難しかったのだということがよくわかる。だいたい、あんなドレスを着ていたら、何にも出来ないだろう。

劇中、酔ったバルザンが彼女にカフスボタンをはずすことを要求するシーンで、日本のゲイシャは男のためになんでもしてくれるという。
20世紀初頭の日本女性のイメージってこんなのだったのか・・・と思うとちょっとさびしかったですねえ。

主演女優は「アメリ」のオドレイ・トトゥ。ものすごく華奢な体にびっくり。決して美女とは言えないけれど、非常に魅力的で印象的な表情をする女優さんだなあと思った。ヨーロッパ映画の魅力は、役者さんのとても自然な演技だと思う。たたずまいやしぐさ、表情、といった全身から醸し出す空気が魅力を作っていると思う。

さて、次はもうひとつ映画、「シャネルとストラヴィンスキー」がどんな映画なのか?非常に楽しみであります。

鑑賞日 2009年9月6日(日)
場 所 シネスイッチ銀座
監 督 ジャン・ポール・ジョー
製作年 2008年 フランス

南フランス、ランドック地方の小さなバルジャック村での学校給食と高齢者宅配給食のオーガニック化事業の取組を追ったドキュメンタリー。映画の冒頭で環境汚染と健康被害の問題を討議するユネスコの会議の模様が取り上げられ、現在の私たちが直面している食の現状が明らかにされます。この現状を解決する手だてはいったいあるのか?監督はこの小さな村の取組を通じて、その一つの方法を示唆しているのだと思いました。

農村部に育った私は、空中散布の薬剤のにおいがぷんぷんと漂う中、登校した記憶があります。農薬を調合し、散布する農家の人の姿も身近に見てきました。映画の中で語られる「生産者が自分の食べるものは別に作っている(自家消費分は農薬を使わない)」という事実もよく聞く事でした。
日本の農業は今高齢化・後継者不足・耕地荒廃に瀕死の状態です。中国産毒餃子事件で国産食糧へのニーズは高まりましたが、ここにきての不況で食糧品の値段はむしろ安く抑えられています。
日本の食糧自給率の低さは異常です。今輸入がストップしてしまったら、日本を深刻な飢餓が襲うでしょう。食物の生産は機械生産のようにはいきません。一度雑草に埋もれてしまったたんぼを元の水田に戻すためには多大な労力が必要となります。農業にはマニュアル化できない経験の積み重ねが必要です。自然を読み取り、それに合わせてきめ細かく対応していかなければならないのです。食糧という生きるための根幹について、あまりに知らなすぎ、軽視しすぎてきたつけが回ってきたということなのでしょうか。

この映画の中で取り組まれた方法がどこにでも通用するわけではないと思います。しかしながら、いくつかの重要なポイントがあると思います。
一つには、行政が強い意志をもつということ、子供たちを教育するということ、自分たちの問題として、真剣に考えるということです。
未来は子供たちのものです。大人が子供たちの未来を食いつぶしている現実があります。そのことに、なかなか大人たちは気がつきません。

明日からすべてをオーガニックに変えることは無理でも、産地を確かめ、添加物の少ないものを選ぶようにするだけでも、社会は変化することが可能だと思うのです。劇的にではないにしろ。

安全性への意識を持つこと、農業生産物にかかるコストをきちんと知ること(農家の人々の労働の集約が生産される野菜や果物なのです)で、安全で優れた品物に妥当な金額を払えるようになるはずです。

日本の教育の不十分なところは、物事にはすべからくコストがかかっているという事実を知らせないことです。物やサービスにはそれを生み出すためのコストがかかっている。だとすれば、コストを回収できないも物やサービスは成り立たないということです。

安ければいいという考えは、この原則から外れます。私たちの労働にしてもコストなのです。1円でも安く買いたいと思うのは仕方ないけれど、それによって、自分たちの労働も支えきれなくなる可能性があるのです。
価値ある物に見合う金額を払うことで、自分たちが求めるものを供給してもらうという関係を作らなければいけないと思います。

自民党から民主党に政権が代わりましたが、頭のすげ替えだけで政治が変わるはずがありません。政治は私たちのもっと身近なものにならなければいけません。

この映画は、単に食というテーマだけではなく、生きていくということについて多くのことを考えさせてくれると思います。

映画の内容とちょっとずれますが、この映画、いかにもフランスだなあと思わせるものが出てきました。

それは子供たちの歌です。オーガニック推進のテーマソングのようなものを子供たちが2度歌います。最初はいよいよオーガニック給食が始まるというころです。子供たちはぎくしゃくとなかばいやいや歌っています。
終盤にもう一度この歌を子供たちが歌います。そのときには、生き生きと自信にあふれた歌声に変わっています。子供たちが学級菜園で野菜を育て、オーガニックへのさまざまな知識を得たことによって変化したのだと思います。そして、この歌詞が、まるで、現代版ラ・マルセイエーズといってもいいようなものなんです。けっこうびっくりするような歌詞なんです。

そして、地域住民が何度も討論を重ねていくところです。それぞれの人々が自分の言葉で考えを出し合っていきます。いいか悪いかをすぐに断じるのではなく、それぞれの主張をきちんと出し合い、すり合わせをしていこうとする姿に驚きました。

見終わって、やっぱりもう少し食生活を大切にしようと思いました。
料理は好きじゃありませんが、体を作るのはやはり食べ物ですから・・・。





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